
「うちの商品の良さを、もっと多くの人に知ってほしい」 「新しいお客さんを掴むために、ウェブサイトやチラシを作りたい」
多くの中小企業・小規模事業者の経営者様にとって、「小規模事業者持続化補助金」は、こうした販路開拓の取り組みを力強く後押ししてくれる、非常に心強い制度です。
しかし、ここで一度立ち止まって考えてみていただきたいのです。
その補助金の使い方は、本当にあなたの会社の未来に繋がっていますか?
実は、補助金を使って立派なウェブサイトやチラシを作ったにもかかわらず、「全く問い合わせが増えない」「売上が少しも上がらない」という失敗例が後を絶ちません。この記事では、なぜそのような悲劇が起こるのか、そして補助金を一円たりとも無駄にせず、持続的な成果に繋げるための「本当の賢い使い方」を、FSPの視点から徹底的に解説します。
なぜ、補助金で作ったウェブサイトやチラシは失敗するのか?
補助金の申請が採択され、いざ制作会社に依頼して、見た目もきれいなウェブサイトやパンフレットが完成した。しかし、数ヶ月経っても全く手応えがない…。この問題の根源は、たった一つです。
それは、「誰に、何を伝えるか」という最も重要な戦略(=ブランドの設計図)がないまま、いきなりツール(=家)を作り始めているからです。
家の設計図なしに、いきなり壁紙を選んだり、キッチンを導入したりする人はいません。
それと同じで、ビジネスにおいても、
- 自社の本当の価値(らしさ)は何か?
- その価値を最も喜んでくれる理想のお客様(ペルソナ)は誰か?
- そのお客様の心に深く響くメッセージは何か?
といった「設計図」がなければ、どんなに高価なツールを作っても、それは誰の心にも響かない「ただの箱」になってしまうのです。これこそが、多くの企業が陥る販路開拓の罠であり、FSPが警鐘を鳴らす「補助金パラドックス」の一つの側面です。
持続化補助金の本当の賢い使い方 ― 「専門家経費」という選択肢
では、どうすれば補助金を「生きた投資」に変えられるのでしょうか。 答えは、補助金の対象経費の中に隠されています。持続化補助金は、ウェブサイト制作費や広報費だけでなく、「専門家経費」という項目にも活用できるのです。
「専門家経費」とは、販路開拓に関する指導や助言を受けるために、専門家に支払うコンサルティング費用などのことです。
つまり、持続化補助金の本当の賢い使い方とは、いきなりウェブサイトという「モノ」に投資することではありません。その前段階である、自社の「稼ぐ力」の根幹を築くための「戦略構築」にこそ、専門家(=FSPのような伴走者)と共に投資することなのです。
【FSPが考える、持続化補助金の正しい活用ステップ】
- 【STEP 1】まず「戦略」を固める(専門家経費を活用)
・専門家と共に、自社の存在価値や強みを徹底的に分析・言語化する。
・理想の顧客像(ペルソナ)を明確にし、その心に響くコアメッセージを開発する。
・どのような情報発信をしていくべきか、コミュニケーション全体の設計図を描く。
→この「設計図」作りのプロセスこそがブランディングであり、FSPが最も得意とする領域です。 - 【STEP 2】次に「ツール」を作る(ウェブサイト関連費・広報費を活用)
・STEP1で固まった揺るぎない戦略(設計図)に基づき、本当に必要なツールは何かを判断する。
・設計図があるので、制作会社にも的確な指示が出せ、ブレのないウェブサイトやチラシが完成する。
・結果として、作られたツールは理想の顧客に的確に届き、成果を生み出す。
この順番こそが、補助金を無駄にせず、投資効果を最大化する唯一の道筋です。
まとめ:航海図(戦略)なき船(ツール)では、目的地には着けない
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓という、果てしない航海に出るための「最初の船」を手に入れるチャンスを与えてくれます。
しかし、多くの人は「船」を手に入れること自体が目的となり、最も大切な「どこへ向かうのか」という航海図(=ブランド戦略)を持たないまま出港してしまいます。当然、その航海はすぐに座礁し、貴重な資金と時間を失うことになるでしょう。
まずやるべきは、信頼できる航海士(=専門家)と共に、精緻な航海図を描くことです。
そして、その航海図に基づいて、最適な船や羅針盤(=ウェブサイトやチラシ)を手に入れること。
ぜひこの補助金制度を賢く活用し、単なるツール作りではない、貴社のビジネスの未来を切り拓くための「本質的な投資」を始めてください。


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