【経営戦略】その事業、続けるべき?“選択と集中”を決断し、会社を成長させるための3つの判断基準

「赤字ではないが、儲けも少ない…」 「この事業に、多くの時間と人材が、とられてしまっている…」 「しかし、昔から続けてきた事業だし、今さらやめるわけには…」
あなたの会社にも、そんな「不採算事業」はありませんか。経営者として、「選択と集中」が重要であることは、頭では分かっている。しかし、いざ、自社の事業を「やめる」という決断を下すのは、非常に大きな痛みを伴い、勇気が必要なことです。
しかし、その“勇気ある撤退”こそが、会社の未来を、より大きく成長させるための、最も重要な一手となることがあります。この記事では、その難しい決断を下すための、3つの戦略的な判断基準を解説します。

なぜ、私たちは「やめる」ことが、これほどまでに苦手なのか?

まず、なぜ、この決断が、これほどまでに難しいのか。その心理的なブレーキの正体を、理解しましょう。

  • サンクコスト・バイアス(埋没費用の罠)
    「これまで、これだけの時間とお金を投資してきたんだ。今さら、やめるなんてもったいない」。過去の投資に固執し、合理的な判断ができなくなる心理状態です。
  • 感情的な愛着
    「自分が、若い頃に立ち上げた事業だから」「先代から、受け継いだ大切な事業だから」。事業に対する、個人的な思い入れが、客観的な判断を鈍らせます。

これらの感情は、自然なものです。しかし、経営者は、時に、その感情を乗り越え、会社の未来のために、冷静な決断を下さなくてはなりません。

「選択と集中」を決断するための、3つの“戦略的”判断基準

では、その冷静な決断は、何を基準に行えば良いのでしょうか。FSPが提唱する「5つの糸」の考え方に基づいた、3つの判断基準をご紹介します。

基準①:その事業は、会社の「旗」と同じ方向を向いているか?
まず、問うべきは、その事業が、あなたの会社の「理念・ビジョン(=想いの糸)」と、合致しているか、です。 あなたの会社が掲げる「価値の旗」は、どこへ向かっていますか? その事業は、その旗が示す未来の実現に、本当に貢献していますか? もし、その事業が、会社の大きな羅針盤と違う方向を向いているのなら、それは、会社全体の推進力を、削いでいるだけなのかもしれません。
基準②:その事業は、「理想の顧客」を熱狂させているか?
次に、その事業が、あなたの会社が最も大切にすべき「理想の顧客(ペルソナ)」を、本当に幸せにしているか、を問います。 もしかしたら、その不採算事業は、「安さ」だけを求める、あなたの会社が本来相手にすべきではない顧客層を、相手にしているのかもしれません。だとしたら、その事業に注いでいるリソースを、本当に大切にすべき「理想の顧客」との関係構築(=紡ぎ方の糸)に、集中させるべきではないでしょうか。
基準③:その事業は、未来の「稼ぐ力」を生み出しているか?
最後に、最も重要な問いです。その事業は、会社の未来の「稼ぐ力」に、貢献しているか? ここで見るべきは、単に「今、黒字か赤字か」だけではありません。考えるべきは「機会費用(オポチュニティ・コスト)」です。
もし、その不採算事業に投入している「ヒト・モノ・カネ・時間」といった、貴重な経営資源を、あなたの会社の“主力事業”に、全て集中させたとすれば、会社全体として、どれだけ大きな利益が、新たに生まれるでしょうか。目の前の小さな利益を守るために、未来の大きな利益を、逃してはいないでしょうか。

「撤退」は、“終わり”ではない。“始まり”である

もし、これら3つの基準に照らし合わせ、撤退すべきだ、という結論が出たとしたら。 それは、決して「失敗」や「終わり」を意味しません。
むしろ、それは、会社の貴重な資源を、最も輝ける場所へと再配置し、新たな成長を加速させるための、「始まり」の合図です。
不採算事業という“重り”を外すことで、あなたの会社は、これまで以上に高く、そして、速く、未来へと飛躍することができるのです。

まとめ

「選択と集中」とは、単なるコストカットではありません。それは、「何をやらないか」を決めることで、「本当にやるべきこと」に、会社の全ての力を、注ぎ込むという、極めて高度な経営戦略です。
その決断には、大きな勇気が伴います。 しかし、その勇気の先にこそ、あなたの会社が、パーフェクト・ストームの時代を乗り切り、持続的に成長していくための、道が拓けているのです。

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