【組織戦略】社長の“想い”、なぜ社員に届かない?額縁の「理念」を“生きた言葉”に変える3ステップ

「お客様第一主義で、社会に貢献する」 社長室や、会社の受付に、立派な額縁に入れられて、掲げられた「経営理念」。社長であるあなたは、その言葉に、会社の未来への、熱い“想い”を込めているはずです。
しかし、その想いとは裏腹に、社員たちは、その理念に見向きもせず、日々の業務を、ただこなしているだけ…。なぜ、あなたの、その熱い想いは、社員たちに、届かないのでしょうか。
それは、その理念が、社員にとって、他人事の、ただの“額縁の言葉”になってしまっているからです。この記事では、その死んでしまった言葉に、再び命を吹き込み、社員全員の心を動かす「生きた言葉」へと、変えるための、具体的な3つのステップを解説します。

なぜ、立派な「経営理念」が、社員の心を動かせないのか?

その理由は、3つあります。

  • 「自分ごと」になっていないから
    その理念は、社長や、一部の幹部だけで、作られたものではありませんか。社員が、その策定プロセスに関わっていないため、「社長が、また何か言っている」と、どこか他人事なのです。
  • 「抽象的」すぎて、分からないから
    「社会貢献」「顧客満足」といった言葉は、立派ですが、あまりにも抽象的です。経理担当の社員にとっての「社会貢献」と、現場の職人にとっての「社会貢献」は、全く意味が異なります。日々の業務と、理念が、繋がっていないのです。
  • 「行動」が、伴っていないから
    理念では「挑戦を推奨する」と謳いながら、いざ、若手が新しい挑戦で失敗すると、上司が厳しく叱責する。こうした、言葉と、現実の矛盾は、社員の心に、深いシニシズム(冷笑的な態度)を、生み出します。理念は、ただの「絵に描いた餅」と化してしまうのです。

「額縁の理念」を、「生きた言葉」に変える3つの“翻訳”ステップ

では、どうすれば、理念に、命を吹き込めるのでしょうか。FSPが提唱するのは、理念を、社員一人ひとりのものへと、翻訳し直す、3つのステップです。
STEP 1:全社員で、理念を「自分たちの言葉」に、翻訳し直す
まず、社長が、一方的に語るのを、やめましょう。代わりに、全社員(あるいは、部門ごとの代表者)を集めて、対話の場(ワークショップ)を開きます。 「私たちの理念である『お客様第一主義』って、あなたの仕事において、具体的に、どういうことだと思う?」 この問いを通じて、社員一人ひとりが、理念を「自分ごと」として、捉え直し、誰もが共感できる「生きた言葉」として、再定義していくのです。これこそが、FSPの核である「想いの糸」を、全員で紡ぎ出すプロセスです。
STEP 2:言葉を、日々の「行動」に、翻訳し直す
次に、その「生きた言葉」を、具体的な日々の「行動」へと、落とし込みます。それが、「行動指針(クレド)」の作成です。

  • 理念:「挑戦を推奨する」
  • 行動指針:「私たちは、失敗を恐れず、まず、やってみる」
  • 理念:「仲間を尊重する」
  • 行動指針:「私たちは、他人の意見を、決して、途中で遮らない」

このように、抽象的な理念を、誰もが、日々、意識し、実践できる、具体的な行動へと、翻訳することで、理念は、初めて、現実世界で、力を持ち始めます。

STEP 3:行動を、評価される「仕組み」に、翻訳し直す
最後に、その望ましい「行動」が、きちんと評価され、賞賛される「仕組み」を、社内に作ります。

  • 人事評価の項目に、行動指針の実践度合いを、組み込む。
  • サンクスカードのように、行動指針を実践した仲間を、社員同士で、賞賛し合う制度を作る。
  • 朝礼や、社内報で、行動指針を体現した社員を、ヒーローとして、紹介する。

こうした「仕組み(=紡ぎ方の糸)」があって初めて、理念は、会社の「文化」として、深く、そして、永続的に、根付いていくのです。

まとめ

経営理念は、社長室の、立派な額縁の中に、飾っておくためのものではありません。 それは、社員一人ひとりの、日々の仕事の中に、そして、顧客との、真剣なやり取りの中に、生きて、脈打っていなければならない、会社の“心臓”そのものです。
あなたの、その熱い「想い」を、 社員全員が、共感できる「言葉」に。 社員全員が、実践できる「行動」に。 そして、社員全員が、誇れる「文化」に。
その、丁寧な“翻訳”の作業こそが、あなたの会社を、一枚岩の、強い組織へと、変えていくのです。

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