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【財務戦略】「自己資金ゼロ」で補助金はもらえる?経営者が知るべき“資金繰り”の厳しい現実

「自己資金はほとんどないが、この補助金が採択されれば、一発逆転の大きな投資ができる…!」
会社の未来を賭けた挑戦を前に、このような夢を描く経営者様もいらっしゃるかもしれません。

「自己資金ゼロ」でも、補助金はもらえるのか?これは、私たちが最も多く受ける質問の一つです。
結論から言えば、その考え方は、極めて危険な“罠”にはまる可能性があります。

この記事では、補助金制度の、あまり語られない「資金繰りの現実」と、「自己資金ゼロ」が招く最悪のシナリオについて、解説します。

【結論】「自己資金ゼロ」でも、“理論上は”申請できる。しかし…

まず、質問にストレートにお答えします。多くの補助金の公募要領では、「自己資金がXX円以上あること」といった、明確な金額要件は定められていません。そのため、“理論上は”自己資金がゼロでも、申請し、採択される可能性はあります。

しかし、これは、あくまで机上の話です。本当の問題は、申請時ではなく、採択された“後”に発生します。

補助金が「後払い」であるという、絶対的な現実

補助金活用の大原則として、絶対に忘れてはならないのが、補助金は原則として「後払い」であるということです。

【補助金事業の、お金の流れのリアル】

  1. 採択決定:この時点では、まだ1円も振り込まれません。これは、あくまで「後でお金を払います」という約束手形です。
  2. 事業実施:あなたは、計画した機械の発注や、ウェブサイトの制作などを、**“自己資金で”**取引先に支払わなければなりません。
  3. 実績報告:事業が全て完了した後、「計画通りにお金を使いました」という、証拠書類付きの実績報告書を提出します。
  4. 補助金入金:実績報告書が承認されてから、数週間〜数ヶ月後、ようやくあなたの会社の口座に、補助金が振り込まれます。

つまり、採択から実際に入金されるまでの数ヶ月〜1年以上の間、全ての支払いを、あなたの会社が立て替えなければならないのです。

「自己資金ゼロ」が招く、恐怖の“黒字倒産”リスク

もし、自己資金がゼロの状態で、この現実に直面したら、どうなるでしょうか。

例えば、1,500万円の機械を導入する計画で、1,000万円の補助金が採択されたとします。あなたは、機械メーカーに1,500万円の機械を発注します。しかし、納品時に、メーカーから1,500万円の請求書が届きます。あなたの会社の口座には、その支払いに充てる現金がありません。1,000万円の補助金が入金されるのは、まだまだ先です。

この結果、機械の代金を支払えず、最悪の場合、契約不履行でメーカーから損害賠償を請求され、倒産に至る可能性があります。事業計画上は、1,000万円の補助金によって、利益が出るはずだったにも関わらず、です。これが、「黒字倒産の恐ろしい実態です。

では、どうすれば?―「見せ金」ではない、本物の財務戦略

「では、申請の時だけ、一時的に口座にお金があれば良いのか?」という「見せ金」の発想も危険です。

審査官は、決算書などから、その会社の実質的な財務体力を判断しています。
本当に必要なのは、その場しのぎではない、本物の「財務戦略」です。

具体的には、「自己資金」「融資」「補助金」を、計画的に組み合わせるという発想です。自己資金が不足しているのであれば、採択された事業計画書を手に、金融機関に「つなぎ融資」の相談に行くべきです。


「この事業は、国からも将来性を認められています。事業実行のための資金を、補助金が振り込まれるまでの間だけ、お貸しいただけませんか?」
この相談ができる経営者は、金融機関の目にも、「資金繰りのリスクを理解し、計画的に手を打てる、信頼できる経営者」として映るのです。

まとめ

「自己資金ゼロで、補助金を活用できるか?」という問いは、 「自己資金ゼロで、補助金事業を“遂行”できるか?」という問いに、置き換えて考えるべきです。そして、その答えは、明確に「NO」です。

補助金という、返済不要の素晴らしい制度を、絵に描いた餅で終わらせないために。
そして、「黒字倒産」という最悪の事態を避けるために。
あなたの挑戦を支える、自己資金、そして必要であれば融資も含めた、統合的な財務戦略を、必ず事前に構築しておきましょう。

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