あなたは自社のことを、「社員を大切にする良い会社だ」と信じているかもしれません。しかし、その“想い”は社員に本当に届いているのでしょうか。
社員が会社に対して本当はどう感じているのか。その、普段は決して聞くことのできない“本音”を、客観的な“数字”として可視化する、シンプルで強力なツール。それが、「eNPS(従業員推奨度)」調査です。
この記事では、あなたの会社の本当の組織の“健康状態”を明らかにする、eNPSの基本と、その結果を次なる組織改革へと繋げるための具体的な活用法を解説します。
eNPS(従業員推奨度)とは、組織の“体温”を測るシンプルな健康診断
eNPSとは、「Employee Net Promoter Score」の略です。その調査方法は驚くほどシンプル。基本的にはたった一つの質問を社員に投げかけるだけです。
【eNPSの魔法の質問】「あなたは、現在の職場で働くことを、親しい友人や家族にどの程度勧めたいと思いますか?」
この問いに対し、社員は「0点(全く思わない)」から「10点(非常にそう思う)」までの11段階で回答します。
- 9〜10点を付けた人 = 「推奨者」(会社のファン)
- 7〜8点を付けた人 = 「中立者」(どちらでもない)
- 0〜6点を付けた人 = 「批判者」(不満を持っている)
そして、「推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%)」で算出された数値が、あなたの会社の「eNPSスコア」となります。
“スコア”よりも遥かに重要な「なぜ?」という問い
しかし、eNPSの本当の価値は、この「スコア」そのものにあるのではありません。最も重要なのは、点数を付けてもらった後にセットで必ず聞くべき、次の自由記述の質問です。
「そのスコアを付けた最も大きな理由を具体的に教えてください」
この匿名の自由なコメントの中にこそ、あなたの会社の「強み(=推奨者が褒めてくれている点)」と「弱み(=批判者が不満に思っている点)」に関する、生々しい本音の“宝”が眠っているのです。
eNPSを組織変革の“羅針盤”に変える、3つのステップ
では、この調査結果をどう組織改革に活かせば良いのでしょうか。
STEP 1:【測る】匿名の“安全な場”で本音の声を集める
まずeNPS調査は必ず「匿名」で実施してください。誰が回答したか分からないという「心理的な安全性」が、正直な答えを引き出すための大前提です。Googleフォームなどの無料ツールを使えば、簡単に匿名のアンケートを作成できます。
STEP 2:【読み解く】賞賛と課題の“両方”に真摯に向き合う
集まったスコアとコメントを、経営陣だけでなく管理職なども交えて分析します。その際、批判者からの厳しい意見から目を背けないこと。と同時に、推奨者が評価してくれている自社の「強み」をきちんと認識し、自信を持つこと。この両面から自社の姿を客観的に見つめることが重要です。
STEP 3:【対話する】結果を“武器”ではなく“対話のきっかけ”として共有する
そして最も大切なのが、この分析結果を全社員に誠実に共有することです。「正直な意見をありがとう。私たちの強みは〇〇だった。一方で△△という点に大きな課題があることも分かった。この課題を解決するために、来期、みんなで一緒に知恵を絞りたい」と。この経営者の誠実な姿勢が、批判者をも巻き込んだ前向きな「対話」を生み、「この会社は私たちの声を聞いてくれる。変われるかもしれない」という希望を育むのです。
まとめ
eNPSは単なる満足度調査ではありません。それは、社員の会社に対する「愛着」と「信頼」の深さを測る、“エンゲージメント”の指標です。
そして、それは社員を評価するためのツールではなく、経営者が社員の声に真摯に耳を傾け、より良い組織を共に創っていくための「対話のツール」なのです。
あなたの会社は、社員が自分の大切な友人に心から勧めたいと思える会社でしょうか。その、少しドキッとする問いに、向き合う勇気。それこそが、組織変革の全ての始まりです。
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現状と可能性を客観的に見つめ直すことから始めてみましょう 。