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【補助金採択後】事業完了から“5年間続く”報告義務のリアル。なぜ、そんなに長いのか?

実績報告書を提出し、補助金の入金も確認できた。これで、ようやく全てのプロセスが終わった…。
そう安堵のため息をついた経営者様。しかし、採択時に交わした「交付規程」を改めて読み返し、愕然とすることになるかもしれません。

「本事業終了後も、5年間は、事業化状況を報告しなければならない」

事業が終わってから、5年間。あまりの長さに、「なぜ、そんなことまで?」と、面倒に感じてしまうのも無理はありません。しかし、この長期間の義務には、補助金の本質に関わる、極めて重要な理由があるのです。
この記事では、その理由と、長いようで短い5年間を、ストレスなく乗り切るための「段取り術」を解説します。

なぜ「5年間」も?― 国との“見えない契約”の正体

なぜ、事業が終わった後も、これほど長い期間、国への報告義務が続くのでしょうか。
それは、補助金が、単に「設備投資の費用を補填するお金」ではないからです。

補助金は、あなたの会社が事業計画書で約束した「成長ストーリー」全体に対する、国民からの先行投資です。
国(=国民)が期待しているのは、「機械を導入しました」という短期的な事実ではありません。「その機械を導入した結果、生産性が上がり、売上が伸び、従業員の給与が増え、地域経済が活性化しました」という、数年間にわたる長期的な“成果”なのです。

つまり、この5年間という期間は、「国民との約束(=事業計画)が、きちんと果たされているか」を、国が確認するための、当然の契約期間と言えるのです。

この5年間に、具体的に何をしなければならないのか?

では、この長い契約期間中に、具体的にどんな義務が発生するのでしょうか。
大きく分けて、3つの義務が続きます。


① 毎年の「成績表」の提出(事業化状況報告) 事業計画書で約束した、売上高、利益、生産性、賃上げ目標などが、計画通りに進捗しているかを、毎年一回、国に報告します。これが、5年間続く、最も中心的な義務です。


② 大切な“預かり物”の管理(財産管理義務) 補助金で購入した機械や設備は、定められた期間(通常5年)、勝手に売却したり、捨てたり、他社に貸したりすることはできません。これは、約束を果たすための“武器”を、大切に管理し続ける義務です。


③ いつでも見せられる「証拠」の保管(書類保管義務) 会計検査は、事業終了後、数年経ってから行われることもあります。その際に、全ての経費の正当性を証明できるよう、見積書から振込明細までの証憑書類一式を、この期間、完璧な状態で保管し続ける義務があります。

長いようで短い5年間を、ストレスなく乗り切るための「段取り術」

「5年間も、そんなことを覚えていられない…」と感じるのが、正直なところでしょう。
しかし、これも「段取り」の仕組みさえ作ってしまえば、決して難しいことではありません。

今すぐやるべき、3つの段取り

  1. 「補助金管理カレンダー」を作る
    事業が完了したその日に、Googleカレンダーや、社内の共有カレンダーに、5年分の「年次報告 提出期限」を、全て入力してしまいましょう。そして、毎年、その1ヶ月前にリマインダーが鳴るように設定します。
  2. 「補助金マスターファイル」を作る
    実績報告書で作成した、証憑書類一式のファイルを、「補助金マスターファイル」と名付け、鍵のかかるキャビネットなどに大切に保管します。これで、書類の紛失リスクはなくなります。
  3.  「KPI管理」を、月次の経営会議に組み込む
    年次報告で提出が必要なKPI(売上や利益、賃金など)を、毎月の経営会議で確認するアジェンダに、あらかじめ組み込んでしまいます。そうすれば、年に一回、慌てて数字をまとめる必要がなくなり、報告は単なる「コピー&ペースト」の作業に変わります。

まとめ

補助金事業完了後の5年間の報告義務は、一見すると、長く、面倒なものに思えるかもしれません。
しかし、それは、あなたの会社が、国民との約束を誠実に果たしていることを示す、大切なプロセスです。


そして、その義務は、気合や記憶力で乗り切るものではありません。事業が始まったその日に、未来を見据えた「管理の仕組み(=段取り)」を、最初に構築してしまうこと。


それこそが、この長い付き合いを、ストレスなく、そして着実に乗り切り、補助金を真の意味で成功に導くための、最も賢明な経営判断なのです。

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