営業部は、製造部の都合を考えずに、無茶な納期を、お客様に約束してしまう。 製造部は、「どうせ、営業は、現場のことなんて、分かっていない」と、不満を募らせる。 開発部は、画期的な新商品を開発したのに、マーケティング部が、うまく、その価値を、伝えきれない…。
あなたの会社は、そんな、部門同士が、互いに責任を押し付け合う、「タコツボ」のような状態に陥ってはいませんか?
この「部門間の壁(サイロ化)」は、社員の士気を下げ、顧客体験を損ない、そして、会社の成長を、内側から、静かに蝕んでいく、深刻な“病”です。この記事では、その病の正体と、組織を、再び「一枚岩」にするための、具体的な処方箋を解説します。
「部門間の壁(サイロ化)」が、会社を“内側”から蝕む
なぜ、部門間の壁は、それほどまでに、危険なのでしょうか。
- 情報の滞り:各部門が、情報を「独占」し、会社全体での、最適な意思決定が、できなくなる。
- 責任の押し付け合い:問題が発生した時、「それは、うちの部門の責任ではない」という、不毛な“犯人探し”が、始まる。
- 顧客体験の悪化:顧客は、部門ごとに、バラバラの対応をされ、「たらい回し」にされている、と感じてしまう。
- イノベーションの阻害:新しいアイデアが、部門間の連携不足によって、実現されずに、潰れてしまう。
このように、サイロ化は、組織全体の、生産性と、競争力を、著しく、低下させるのです。
“壁”を壊す、特効薬 ― それは「共通の敵」ではなく、「共通の目的地」
「部門を、一つにまとめるためには、強力なライバルという“共通の敵”を作れば良い」。 これは、一昔前の、マネジメント手法です。しかし、この効果は、一時的なものでしかありません。
FSPが提唱する、本質的な解決策。それは、「共通の敵」ではなく、「共通の目的地」を、全社員で、共有することです。
あなたの会社という船が、どこへ向かっているのか。その、輝かしい「目的地(=ビジョン)」が、明確であれば、営業部も、製造部も、開発部も、もはや、互いを、ライバル視している暇はありません。「どうすれば、もっと速く、みんなで、あの目的地に、たどり着けるか?」という、たった一つの、建設的な視点に、全てのエネルギーが、注がれていくのです。
セクショナリズムを解消する、3つの具体的な“仕掛け”
この「共通の目的地」を、絵に描いた餅で終わらせず、日々の業務に、落とし込むための、具体的な「仕掛け」が必要です。
- 全部門で「会社の旗」を、共に創る(目的の共有)
まず、会社の理念やビジョン(=想いの糸)を、社長が、一方的に、与えるのを、やめましょう。営業、製造、開発、経理…全部門の代表者を集めた、ワークショップを開き、「私たちの会社の、共通の旗は、何か?」という問いを、共に、考え、創り上げるのです。この、共創のプロセスが、「あれは、社長が決めたこと」から、「これは、“私たち”が決めたこと」へと、意識を、転換させます。 - 「他部署への協力」を、公式ルールにする(行動の共有)
次に、その旗の下で、我々が、どう行動すべきか、という「共通のルール」を作ります。それが、「行動指針(クレド)」です。 そして、そのクレドの中に、「私たちは、自分の部署の利益だけでなく、常に、会社全体の利益を、最優先で考えます」といった、セクショナリズムを、明確に、否定する一文を、加えるのです。そして、その実践度を、人事評価の項目にも、反映させます。 - 部署を“横断”する、プロジェクトを、意図的に創る(経験の共有)
最後に、物理的に、壁を壊す「仕掛け」を作ります。 新商品の開発や、業務改善といった、テーマごとに、各部署から、メンバーを選出した「横断型プロジェクトチーム」を、意図的に、数多く、立ち上げるのです。 同じ釜の飯を食い、共に、汗を流す。この「共通の経験」が、部門という記号的な所属意識を超えた、人間的な「絆(=紡ぎ方の糸)」を、育んでいきます。
まとめ
部門間の壁は、誰かが、意図的に、創り上げたものではありません。それは、「共通の目的地」が、見えなくなった時に、人々が、自分の足元だけを見て、不安から、築き上げてしまう、悲しい“防壁”なのです。
だからこそ、経営者である、あなたの、最も重要な仕事は、誰よりも高く、遠くを指し示し、「我々が、目指す場所は、あそこだ!」と、その、輝かしい「旗」を、振り続けること。
その旗の下に、あなたの会社の、全ての力と、想いが、再び、一つになるのです。
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