「この技術は、他社のどこにも負けない」
「この製品の品質は、世界一だと自負している」
自社の技術や製品に、揺るぎない自信と誇りを持つ。それは、日本のものづくりを支える、素晴らしい経営者の姿です。しかし、その“素晴らしい技術”が、必ずしも“事業の成功”に、結びついているとは限りません。
なぜ、技術的には、圧倒的に優れているはずなのに、ビジネスとしては、苦戦してしまうのか。 それは、多くの技術系企業が、「マーケットは、技術ではなく、課題解決策を買っている」という、極めてシンプルな、しかし、最も重要な真実を、見落としてしまっているからです。
「プロダクトアウト」と「マーケットイン」
あなたの“出発点”は、どちらですか?
あなたの新規事業の“出発点”は、どちらでしょうか。
- プロダクトアウト:「我々は、こんなに凄い技術を開発した。さあ、これを、誰に、どうやって売ろうか?」
- マーケットイン:「お客様は、こんなに深い悩みを抱えている。さあ、我々の技術で、どうやって、その悩みを解決しようか?」
前者の「プロダクトアウト」は、技術や製品が、出発点です。しかし、これは、多くの場合、作り手の“独りよがり”に陥る、非常にリスクの高い賭けです。 後者の「マーケットイン」は、顧客の“課題”が、出発点です。これこそが、事業成功の確率を、飛躍的に高める、唯一の正しい思考法なのです。
“素晴らしい技術”が、事業として失敗する3つの理由
マーケットインの視点が欠如していると、どんなに素晴らしい技術も、以下のような理由で、事業として失敗してしまいます。
理由①:顧客不在の「自己満足」に陥っている
その技術は、確かに、凄いのかもしれない。しかし、それは、“誰も求めていない、超高性能”ではありませんか?
顧客が、本当に解決したい課題と、あなたの技術が提供する価値が、ズレてしまっている。あるいは、顧客が、その価値に対して、支払える価格と、あなたの希望価格が、かけ離れている。まさに、顧客が、不在の状態です。
理由②:価値が「伝わって」いない
次に多いのが、このケースです。技術は、顧客の課題を解決する、素晴らしい価値を持っている。しかし、その価値が、専門用語だらけのウェブサイトや、分かりにくい営業資料のせいで、全く、顧客に“伝わっていない”のです。
私たちは、常にこうお伝えしています。『どんなに素晴らしい価値も、それを必要としている人に、響く形で届けなければ、存在しないのと同じです』と。
理由③:「技術」以外の“すべて”が、三流である
技術は、一流。しかし、問い合わせへの対応は、遅い。納期は、平気で遅れる。アフターフォローも、不親切。これでは、顧客は、二度と、あなたから買ってくれません。 ビジネスとは、技術という「点」ではなく、顧客との出会いから、購入後までの、全てのプロセスを繋いだ「線」で、評価されるのです。
「技術の種」を、利益を生む「事業の木」に育てるために
あなたの会社の素晴らしい技術は、大きな可能性を秘めた「種」です。
しかし、種は、蒔かれなければ、芽を出しません。そして、芽を出した後も、水や、光や、栄養がなければ、大きな木には、育ちません。
私たちFSPが提供する「5つの糸」のフレームワークは、まさに、この「技術の種」を、利益という果実を実らせる「事業の木」へと育てるための、“栽培マニュアル”です。
- 想いの糸:そもそも、その技術で、どんな未来を創りたいのか?(物語)
- 届け方の糸:どんな顧客の、どんな課題を解決するのか?(土壌)
- 顔立ちの糸:その価値を、どうやって、魅力的に見せるのか?(光)
- 紡ぎ方の糸:顧客と、どうやって、良好な関係を築くのか?(水)
- 行動の糸:その価値を、どんな組織文化で、提供し続けるのか?(栄養)
この、事業全体を、一貫したシステムとして設計して初めて、あなたの技術は、その真価を発揮するのです。
まとめ
あなたの会社の、素晴らしい技術。それは、ただ、そこにあるだけでは、一円の利益も、生み出しません。
その技術という「種」を、顧客の課題という「土壌」に植え、 戦略という「水」と、「光」を与え続けること。
その地道で、経営者だけができる、創造的な“栽培”の努力こそが、あなたの会社の技術を、偉大な「事業の木」へと、育て上げるのです。
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現状と可能性を客観的に見つめ直すことから始めてみましょう 。